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平成19年度(第5回)文化庁映画賞
<文化記録映画部門>   文化記録映画優秀賞 受賞
日本映画ペンクラブ会員選出 文化映画部門3位 受賞

キネマ旬報ベスト・テン    2007年度文化映画 7位


有明海は、福岡、佐賀、長崎、熊本の4県に囲まれた九州最大の湾である。
内湾性の海域で、総面積は約1,700km。
東京湾や伊勢湾とほぼ同等である。
遠浅で潮の干満差が大きいこの海では、
大潮の干潮時に約8,600haの広大な干潟が現れる。これは、全国の干潟総面積のおよそ6分の1に相当する。国内でも他には見られない特産生物の宝庫として、極めて貴重で特異な海であった。

近年、環境汚染をはじめとした複合的な要因から、水産資源は激減し、多くの漁業者が撤退や休漁を余儀なくされている。
有明海の再生は待ったなしの状況にある。
これは、有明海沿岸で生きてきた人々のありのままの声をあつめた記録である。




監督 岩永勝敏      監修 中尾勘悟
脚本 大仁田典子     解説 倉崎青児
撮影 岩永勝敏・岩永成人



しみじみと有明海

太陽が西に落ちた。するすると上げ潮が右に左に走る。遠い空に鋭い閃光が見えムツゴロウが跳ねた。朽ちた干潟は闇の中に消え、無表情になった船上の人たちも岸のうすぼけた点に向かって吸込まれていった。
有明海を撮り始めて20年になり、地味な記録映画を5本かろうじて作り上げた。20年の歳月は有明海を大きく変え、同時に私も爺さまの域まで追い込まれて、生まれる前の闇の世界に引き戻されようとしている。
最初は、諫早湾の風景が変わる前にフィルムで記録しておこうと、従兄弟の則昭と始めたのが1987年。そして「干潟のある海」−諫早湾1988が諫早湾の工事が始まる前に完成した。解説は、田村高廣さん。次の「命あふるる有明海」は、左幸子さん。お二人とも故人となられたのは残念なことです。三作目の「沈黙の葬送」は下重暁子さん、4作目「今、有明海は」の常田富士男さん。今年完成した「有明海に生きて」は、常田さんの息子で俳優の倉崎青児さん。特に先輩でもあり友人でもある常田さんは、この作品に参加したギャラはいらない、と頭が下がる思いです。
現場でもコーディネーターと監修で協力してくれた中尾勘悟さん。膨大な資料を整理し組み立てた脚本の大仁田典子さん。寝起きを共にして飲み、喋りあったスタッフ。快く撮影に応じてくれた漁師さん始め沿岸の方々。先輩のフィフティーワン緒方さん、大村の浦さん、とすべての人に心から感謝をしています。そして私たちが作った映画が、この有明海と人々の未来に何らかの意味を持ち、参考にでもなれば幸いな事です。


イワプロ代表 岩永勝敏


 
   

(上映会ご協力のお願い)
文化庁記録映画大賞受賞に伴い、ただいま「有明海に生きて」の全国上映を企画しています。
公民館や市民センターをはじめ、教育機関、各自治体や団体での上映希望がございましたら、是非声をおかけ下さい。
その規模に合わせた上映イベントを開催していきます。

長崎OFFICE 長崎県諫早市中田町266-1 〒859-0313
 TEL 0957-24-8105  FAX 0957-24-8109



 
 
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